街のボランティアチームにお子さんが入り、お父さんコーチとして指導者を始める。
少年サッカーは小学生の低学年でチームに入る子どもが多いので、新米コーチとして指導者を始めると低学年を担当することになることが多いですよね。
ボールもまともに蹴れないような低学年の子たち。こんな子どもたちでどうやって強いチームを作れるんだ??と指導者を始めたばかりのコーチから相談を受けたので私なりの経験を踏まえてお話します。
結論からお話をするとこの年代で「強いチーム」を作ることは無意味。プレゴールデンエイジと呼ばれる低学年の子どもにあったトレーニングをして将来、伸びる選手を育成することが大切。
将来のために
私が指導をしている地域では、1年生の終わりから2年生になると公式戦が始まります。保護者もチーム関係者も勝てないと落ち込んだり、この学年は強くなれないかも。と思っているみたいですが、小学校低学年で強いチームを作ろうなんて思わない方が良いんです。
この年代の子どもたちは自分の思ったように身体が動かせる子の方が少ない年代です。確かに思い通りに身体が動く子どももいますが、この年代の子どもたちには多種多様な動作を経験させ、いろいろな身体の動かし方を獲得させることが重要。
子どもは成長過程
小学生から中学生ごろまでは子どもから大人への成長過程です。大人と同じ考え方や動作はできなくて当たり前です。
少年サッカーの子どもたちの今と将来、どちらが大切ですか?
小学生や中学生は育成年代。身体的にも精神的にも大人とは違います。子どもの将来を考えて育成していくことが大切ではないでしょうか。
勝つことより大切なこと
この年代のサッカーは団子サッカーになることが多いですよね。私は団子サッカーで子どもたちが学ぶことが大切だと思います。
団子サッカーをする心理は「たくさんボールを触りたい!!」。
最初から勝ち方を教えるのではなく、子どもたちがやりたいこと(団子サッカー)をやって負けたらどうすれば良いかを教えてあげる。
負けること(失敗すること)も経験です。子どもは大人に比べて圧倒的に経験が少ないんです。まずは経験をさせる。次に失敗しないための知識を学ばせる。その経験が子どもの成長につながるとは思いませんか?
大人もそうやって成長してきたハズですよね。
失敗を経験したから失敗しないようにどうしようかを考える。
小学校低学年は準備期間
サッカーに限らず、スポーツを経験したことのある保護者や子どもの指導経験がないコーチに多いのですが「勝たなければならない」。
もちろんサッカーは勝ちを目指す必要があります。
勝つチームを作るのは、上手い選手を育てることより簡単です。サッカーは上手い選手が多いチームが絶対に勝つことはありません。すなわち、強いチームにいる選手が上手いとは限らないのです。
「2年生のときは強かったよね。」と言われるチームにするのか
「あんなに弱かったチームなのに上手くなったよね。」と言われるチームにするのか、
どちらが良いですか?
指導者は目の前の試合や大会の勝利だけではなく、もっと長期的なビジョンを持って子どもたちを育成する必要があると思います。
強いチームではなく強い個を育てる
小学校低学年のうちは、徹底的に技術を磨く時期だと思ってください。8~11歳くらいのゴールデンエイジを迎える前にどれだけ、思ったように身体が動かせるようになっているかを意識してトレーニングをする必要。
小学校の中学年~高学年のゴールデンエイジで「個人プレー」を磨き、中学生のポストゴールデンエイジで「チームとして考えてプレーをする」ようになります。
「チームを強化」するのが報われるのはポストゴールデンエイジの年代になってからです。小学生のうちは子どもたちにとってはあまり意味がありません。
子どもたちが楽しんでサッカーをすることが大切。
大人のエゴで勝利至上主義になっては子どもたちの成長を阻害することになってしまいます。強いチームを作ること=強い個を育てることと考えましょう。
年代ごとのサッカーを経験させる
子どもたちは成長の過程です。その過程で経験しなければならないことがあります。勉強であれば、小学1年生には、小学1年生の勉強をさせますよね。サッカーも同じです。
子どもの年代に合わせたサッカーをさせる必要があります。小学校低学年に大人のサッカーをさせようとする指導者や保護者がいます。一見、上手そうにみえますが、子どもは成長できません。
団子サッカーも必要なんです。団子サッカーをするから周りに人がいない方がプレーしやすいと子どもが気づく。大人がそれを教えてしまっては子どもはサッカーの学び方を身に付けることができません。
なんでも先回りして子どものために準備をしてあげることは子どもの成長の機会を奪っていること。
子どもを育てると言うことは忍耐が必要なんですよ。子どもを育てたいと思うのであれば、出来るようになるまで待つことを考えてみては如何でしょうか?
あなたの指導は選手のためになっていますか?
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