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「技術解体新書 サッカーの技術を言葉で再定義する」(風間八宏,西部謙司)の感想

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ちょっと前にサッカー関係で読んだ本ですが、言わずと知れた2012年から2016年まで川崎フロンターレで監督を務め、2017年シーズンから名古屋グランパスの監督を務める風間八宏監督の本です。内容もそうですが、この本を手に取った理由はサッカーの技術を言葉で再定義するということに興味を惹かれました。

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独特な「風間語」の解説

風間監督の言葉は、初めて聞く人には誤解を生むかもしれません。実は、サッカーの原理原則を理解してから読むと「そうなんだよね。」と納得し、再認識をさせられることが多かったです。本書の前書きにもありますが、

本書はいわば”風間語”のガイド本だ。風間監督の独特の言葉の意味を知ることで、風間理論や風間スタイルのサッカーを理解できるだけでなく、サッカーの普遍的な原理を知ることができるはずだ。風間理論の特徴は、ボールと人体が変わらない限り通用するサッカーの原理を追求している普遍性にある。日本サッカーのレベルアップは、知っているようでよく理解していなかったサッカーの原理を認識するところから始まるのではないか。風間理論はそのための教科書になるはずだ。

知っているようで良く理解していなかったサッカーの原理を認識するきっかけになる本です。

言語化する意味

風間さんの「風間語」をそのままコーチングで使うのは、難しいかもしれませんが、指導者が選手にプレーの基準を認識させるためには、言葉で説明する必要があります。この本の中で風間さんが言っているように

大事なのは感覚を感覚のまま放置せず、いったん言語化すること。それによって様々な気づきが生じる。そして、言語化して認識したものを再び感覚へ落とし込む。認識→実行→成功を手助けするのが風間監督の仕事であり、指導者としての真骨頂なのだろう。

指導者は、選手のプレーに対して何が良くて何が悪いかを選手自身で考えるきっかけを作ってあげる必要があります。抽象的ではなく、具体的に言葉にするのは難しいですが、小学生のうちから少しずつ訓練をすることで出来るようになってくるはずです。

中村憲剛の言葉

風間さんが川崎フロンターレで監督をしているときに中村憲剛選手が「プロでも上手くなるんだな、というのは凄く感じた」と発言していましたが、まさにテクニックの追求には限界がないと感じる本でした。

風間語の意味

風間さんがわざと一般的でない「風間語」でプレーを表現しているのは

「わざと分かりにくくしているところはあります。例えば、「ドリブル」だと、こちらを向いてくれないけど「運ぶ」と言えば、なんだろうと思って向くかもしれない。もう1つは、明確化すること。定義がはっきりすれば区別ができる。「止める」と「運ぶ」の定義がはっきりすれば、「押し出す」なんてないよということがはっきりする・それは「運ぶ」だよということ。選手は止めているのか運んでいるのか、その区別を意識してプレーするようになります。あとは抽象的なものは省いていく」

だそうです。コーチングを選手に興味を持ってもらい、しっかり聞いてもらう。そして理解してもらう。選手に「どうゆうこと?」と関心を持ってもらうために「風間語」を使っているそうです。

感想

テレビで解説やコメンテーターとして活躍をしていた風間監督だけあって興味を引くような言葉使いで一気に読んでしまいます。風間さんは、この本を通して、サッカーの原理原則からプレーの質まで言語化し、選手に(読み手に)解りやすく説明をしています。指導者や選手はもちろん、サッカー小僧の保護者の方にも読んでもらいたい本です。

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