少年サッカーでは、強いチームを作るより、選手の個の力を伸ばした方が子どもの将来のためになると思いませんか?
サッカーはチームスポーツであり、勝つために一生懸命頑張るのは当たり前。
個が強くなくても、勝つチームは出来ます。個が強くても勝てないチームにもなります。
極端に言うと「今」のチームでチームを作るのか、「将来」のために個を育成するのか。どちらが正解なのかは、私にも答えが見つかりません。
いくら個を鍛えても勝てなければ意味がないとも思えるし、勝つために子どもたちの楽しさを奪うのもどうかと思ってしまうんですよね。お父さんコーチとしては。。。
私は父親として息子たちには「頑張って獲得する喜び」(勝つ喜び)より、「続けることの大切さ」「出来るようになる喜び」を知ってもらいたいと思っています。
なので、私の理想のチームは
自らサッカーが上手くなる「サッカー小僧」たちが活躍して勝つチーム。
トップダウンでのチーム作りよりボトムアップでチームを作りたいというのが理想です。少年サッカーでは、子どもたちが「どうしたいのか」「どうなりたいのか」がとても大切だと思っています。
そのためには個人のテクニックを磨くことが必要。
スキルとテクニック
私はスキル=技術(クローズドスキル)とテクニック=スキル+判断(オープンスキル)と使い分けています。
指導者養成講習会でもスキルとテクニックは別ものって話をされます。
ちょっとイメージをつけてください。
スキルとは
- 自分の思い通りにボールを扱える正確な技術
- 比較的安定した状況での技術
- 状況判断や戦況判断を含まない技術
- 技術の要素が多いプレー
スキルとは相手がいないときのプレーで使う技術。
テクニックとは、オープンスキルと呼ばれる状況を観てどんなプレーをするのが良いか判断が伴った技術です。
テクニックとは
- 刻々と変化する状況での技術
- クローズドスキルを含む技術+判断力
- 判断の要素が多いプレー
サッカーは相手選手、味方選手が入り混じってひとつのボールを奪い合うスポーツですよね。自分がやりたいことを相手に邪魔されるんです。
だから、テクニック(判断)が必要。
個人技=テクニック
個人技という言葉にはいろいろな解釈が出来ちゃいます。個人技って言われて想像するのってドリブルでフェイントや緩急を使って相手をガンガン抜いていく感じですよね。
メッシのドリブルは個人技の究極レベルです。
個人技を身につけたいって思ってドリブルやフェイントの練習をしているのは悪いことではありません。しかし、相手がいないコーンドリブルなどのボールを扱う練習をしていたら、メッシになることが可能でしょうか?
ボールスキルを身につけてもメッシのように試合で活躍できる保証はありません。
スキルの獲得も大切だけど
サッカー選手には、ドリブルやキックなどのボールを扱うスキルは必要不可欠な技術です。
ドリブルやキックのスキルを身につけるためには、かなりの練習が必要です。でもそれが全てでは無い。
例え、メッシがドリブルのみでパスは出さない選手だとしたら、どうでしょうか?
相手選手も対応しやすくなり、あんなに活躍できません。
メッシに対峙するディフェンダーは鋭いパスを警戒しながらのドリブルの対応をしなければなりません。だから、突破されてしまうんじゃないでしょうか?
スキルが足りない?判断力がない?
少年サッカーの指導者は、スキルとテクニックを区別して選手のプレーを観察する必要があります。
試合中にプレーがうまくいかない子どもがいる場合、パスをいい所に出そうとしているけれども、上手くボールが蹴れない。のかを観察しなければいけません。蹴るアクションでミスをする場合は判断は良かったけどスキルが足りない。
そんな子どもには「ボールを蹴るスキル」を身につけるトレーニングをする。
反対に相手選手がいない練習ではドリブルでコーンにぶつからず、綺麗にかわしているのに試合になると活躍できない子どもは判断が出来ていない。
そんな子どもには「判断を身につけることが出来るトレーニング」をする必要がありますよね。
圧倒的に判断のトレーニングが少ない
少年サッカーのトレーニングを観ると圧倒的に判断のトレーニングが足りない気がします。そうするとトレーニングのためのトレーニングになっているんです。
指導者が失敗した原因を理解できてないのでは?と疑っちゃいますよね。子どもたちが可哀想ですよ。
ミスの見極め方
サッカーはピッチの中に相手選手と味方選手がごちゃまぜの状況でプレーするスポーツです。ボールを持ったときにプレーを成功させるためには様々なスキルが必要になってきます。
サッカー選手を評価する場合は、自分の思い通りにボールを扱える、正確なスキルを習得しているかと、ボールが来たときに、その状況に最もふさわしいプレーを選択しているかということ、つまり判断がどれだけ的確かの2点で判断します。
判断を伴ったテクニック(オープンスキル)を習得させよう
少年サッカーでは、判断を伴わないスキルを選手たちに習得させ判断の部分をベンチからの指示で行なっているチームも多いです。スキルが同等でも、判断力が子ども対大人なので、負ける筈無いですよね?そういうチームは強いことが多いです。まだ、判断が出来ないからとコーチが判断をしてあげてしまっては、選手の判断力は成長しません。
メッシに判断力がなく、ドリブルだけだったら、あんなに活躍は出来ません。スキルだけでなく少年サッカーでは判断する場を提供し、スキル(クローズドスキル)だけでなく判断を伴ったテクニック(オープンスキル)の獲得を目指しましょう。
あなたの指導は選手のためになっていますか?
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