僕は、ボランティアだろうが、プロだろうが、子どもたちにサッカーを教えるなら、それなりの覚悟を持って欲しいと思います。
子どもたちのサッカーは、指導によって変わります。子どもたちが上手くなるのも、ならないのもコーチ次第。
少年サッカーで子どもを育成するための育成方法は、コーチングとティーチングがあります。
コーチングとティーチングは、どちらも子どもに行動をさせ、目標を達成するためにどうすれば良いかを理解させるために行う手法ですが、アプローチの仕方が全然違います。
少年サッカーをみていると『大人の理論』を押し付けているような指導者はティーチングを行っているような気がします。良い指導者は、ティーチングとコーチングを上手く使い分けています。
少年サッカーに限らず、スポーツの指導者をコーチと呼ぶのは、スポーツの指導にはコーチングが向いているから。
子どもの自主性を育み、自ら上手くなる選手=サッカー小僧を育てるためには、ティーチングではなく、コーチングが必要です。
僕たち少年サッカーの親年代は、学校教育を通して、育成手法としてティーチングの方が馴染みがあります。最近では、小学校でもコーチングを取り入れた教育が行われているそうですが、僕たちの年代は、コーチングを受けたことが少ないと思います。
そうすると少年サッカーのコーチになると「サッカーを教えなければ」と勘違いをしてしまう指導者が多くなってしまいます。
この記事では、コーチングとティーチングの違い、そして、その正しい使い分け方について紹介します。コーチングとティーチングを使い分け、子どもたちの育成に活用しましょう。
ティーチングとは
ティーチングは、学校教育を通して長年行われてきた手法です。
ティーチングとは、知っている人が知らない人に教える指導方法です。知識や技術、経験を伝えるときには有効な育成方法です。
目標を達成するための答えは、教える側(指導者)にあるのがティーチングの特徴です。ティーチングは一方的なコミュニケーションになりがちです。その結果、子どもたちは、次第に受け身(指示待ち)になり、答えを欲しがる(依存する)ようになります。
ティーチングのメリット
ティーチングのメリットは、子どもたちの持っている経験や知識に影響を受けず、目標達成に必要な答えを教えることができることです。そして、ティーチングは一方的なコミュニケーションを取るため、大人数に対して一方的に行うことができます。
自分で答えを考える必要がないため、時間をかけずに行うことができます。
ティーチングのデメリット
ティーチングを行うデメリットは、子どもの自主性の向上しにくく、受動的で依存傾向が強くなる。コレは子どもの育成において大きなデメリット。
ティーチングのみを行っていると指示がないと動けない、言われたことしかできないという状態になってしまう可能性が高くなります。また指導者側の知識や経験に依存してしまいます。
コーチングとは
コーチングは、1980年代に発見された比較的新しい育成方法です。なので、僕たち、おじさんは馴染みがない(笑)
馴染みがないので、ちょっとインターネットでコーチングについて調べてみました。
コーチング(coaching)とは、人材開発の技法の一つ。 対話によって相手の自己実現や目標達成を図る技術である。 相手の話をよく聴き(傾聴)、感じたことを伝えて承認し、質問することで、自発的な行動を促すとするコミュニケーション技法である。
引用:Wikipedia
「馬車」を意味するコーチ(coach)が語源とされており、「馬車」が人を目的地に届ける役割を果たすことから、コーチは対象の目標達成を支援するという意味が込められて使われるようになりました。
コーチングとティーチングの一番大きな違いは、目標を達成するための答えは、教わる側(子ども)にあるというスタンスを取ることです。指導者は、目標を達成するためのサポートを行います。
コーチングでは、基本的に「教える」「アドバイスする」ことはしません。双方向のコミュニケーションを通して、相手のアイディアを「引き出す」。アイディアを引き出して目標を達成するという育成方法です。
子どもが気づき『自発的な行動をうながす』ことがコーチングの目的です。
コーチングのメリット
コーチングのメリットは、子どもの自分で問題を解決する能力を高められることです。コーチングは、双方向のコミュニケーションを通して、子どもに考えさせ、気づきを与え、自分で目標を達成するために行動をする習慣を身につけることができるようになります。
子どもを自立させるためには、有効な指導方法です。
コーチングのデメリット
もちろん、コーチングも万能ではありません。コーチングのデメリットは、子どもの経験や知識が少ない場合、目標を達成するための答えを見つけることが出来ません。
コーチングを行う場合は、指導者が子どもの知識や経験の度合いを正しく把握する必要があります。
また、コーチングはティーチングに比べ、子どもが考える時間が必要なため、時間が掛かります。直ぐに答えを出さなければいけない場合などは、デメリットと感じるかもしれません。
正しい使い分け方
少年サッカーではティーチングとコーチングを場面で使い分ける必要があります。
ティーチングで教えることは
全体に浸透して欲しいことはティーチングする必要があります。気をつけて欲しいのは、ティーチングは、指導者の知識や経験に依存してしまうということ。指導者の知識を超えることを伝えたり、引き出したりすることは出来ません。なので、指導者は、しっかりと学び、言語化する必要があります。
プレーの優先順位とアクションの基準については別記事でまとめる予定です。
その他のことは、全てコーチングで子どもたちに気づかせることが大切だと思います。コーチングをするとき、経験や知識のある大人からみると、子どもに見えていないことも見えるので、ついつい教えたくなることがあるかもしれません。
でも、そこはグッと我慢。子どものために教えないことが必要です。サッカーはオープンスキルのスポーツと言われ、アクション(プレー)には必ず、判断がともないます。その判断を経験して子供たちは成長していきます。
少年サッカーは、子どもたちの成長の場です。決して『大人の娯楽』ではありません。大人のエゴで「子どもに勝って欲しい」「活躍して欲しい」と思うから、教えすぎて、子どもの成長のチャンスを奪ってしまう。
少年サッカーで必要な指導法
コーチングは「何かに挑戦したい」「結果を出したい」という気持ちを持つ人に効果的です。
指導者との双方向のコミュニケーションにより子どもは気づき、考えられるようになります。その結果、自分の潜在能力や可能性を信じて自らチャレンジする人に成長します。
少年サッカーを通して、子どもたちには自立をして欲しい。
少年サッカーでは、教えること(ティーチング)も必要だと思いますが、子どもたちの育成を考えた場合、子どもたちが自ら気づき、考えて行動できるようにするためにもコーチングを行うことが重要です。
そのためには、指導者はコーチングを学び、子どもたちをサポートする必要があります。
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