少年サッカーはサッカーを始める入門期に当たります。サッカー人生を始めたばかりの選手ばかりです。
小生年代の子どもたちは、思いっきり「サッカーを楽しんで欲しい」。
それが上のカテゴリーで続けようと思う原動力になるんですよ。
私はお父さんコーチとして息子がいるの学年を幼稚園から小学6年生まで一貫して指導をしました。
その子たちはサッカーが好きで、地域トレセンに選抜されたり、U-15のジュニアユースチームに進む選手に育ってくれました。
残念ながらサッカーを辞めてしまった子もいますが、大部分の子どもたちは、その先も楽しんでサッカーを続けてくれています。
私の考え方なので、指導者の方の中には「何、ぬるいこと言っているんだ」と言われたりもします。でも私は信念をもって「自らサッカーが上手くなる選手」の育成をテーマに指導しています。
そのためにはサッカーを楽しむ。
子どもたちが教えられたプレーをするのではなく、自ら考えてプレーして失敗して改善して上手くなっていく。
子どものうちにたくさん失敗すれば良いのです。失敗を恐れてチャレンジしない。そんな子どもになって欲しくない。
「サッカーは教えなければ出来ない」との意見もありますよね。でも全てを教えるのは違う気がします。
教えないコーチング
「教えないコーチング」と言うと何も教えないダメコーチじゃん。と考える人が多いんですが、何も教えない訳ではありません。
もう一度、言います。
何も教えないわけではありません。
しつこいって?でも大事なことなんです。指導者が教えるのは「プレーの判断基準」判断するのは子どもたち。
「シュート、打てよ。」
「ドリブルじゃないだろ!パスしろよ。」
とか、子どもの判断を奪っていますよね。
シュートの打ち方(技術)やゴールを奪うため、ボールを奪う必要があるというトコロは教えます。シュートを打つタイミングやドリブルとパスの選択はどっちが良いかは、選手が判断することなんですよ。
私も「今のタイミングはシュートだろ!?」って思うときはあります。でも「打てよ!!」とはコーチングしません。
「ゴール観てたか?」、「今、打てたんじゃないか?」と問いかけ、子どもに気づかせる。
もしかしたら、自分でシュート打つより、パスした相手の方が入る確率が高いと思ったのかもしれない。シュート打とうと思ったんだけどボールコントロールをミスしたのかもしれない。
今のタイミングはシュートだろ!!と指導者が決めてしまっては、子どもは判断しないで、相手がいても、味方選手の方が良い体制でも、ボールを貰ったらシュートを打つようになってしまいます。
そこに「気づき」や「判断」がなくなってしまいます。
ティーチングとコーチングは違う
教えるという意味で使われ、似た言葉に「ティーチング」と「コーチング」があります。
ティーチングは教える。コーチングは気づかせる。目的が違います。スポーツで指導者をコーチと呼ぶのは、選手に気づかせることが役目だからです。なので全てを教えるのはコーチじゃなくて先生。言葉遊びのようですが。。。
サッカーでは、プレーのひとつひとつを選手が、状況を判断して、その場で一番効率的なプレーを選択、実行することが求められます。
少年サッカーのときから判断の訓練をする必要があるのです。
瞬時に判断し、決断すると言うのは大人になっても難しいことですよね。でもサッカーではソコを求められる。
間違った判断にも責任があるから、判断をするには勇気が必要です。どうすれば良いかは子どもたちが考えることなんです。指導者が指示を出してしまっては、サッカーは上手くならない。
強いチームによくある光景
少年サッカーを観ていて強いチームには大きく分けて2種類あります。ひとつは上手い子どもが多いチーム。理想ですよね。なかなか難しいと思いますが、多くの選手が考えて状況に合わせたプレーを選択しているチームです。
もうひとつは、ベンチからの指示通りに動ける子どもが多いチーム。多分、普段のトレーニングから動きを教えられているチームです。試合中も監督やコーチがベンチから指示を出しているようなチームです。
ちょっと脱線しますが、ベンチから指示を出しているチームの監督やコーチの人って子どもに対して、文句ばっかり言っていませんか?
ミスを指摘されても上手くならないのにね。
ともかく、サッカーの試合中は、子どもたちが状況を確認して「ゴールを奪うために」どんなプレーが最善かを判断してプレーをすることが大切。
サッカーで必要なティーチング
そんなこと言ったって「じゃ、何を教えれば良いの?」って話ですよね。
ティーチングしなければいけないのは
「サッカーの原理原則」とはプレーを選択するときの基準、考え方。
状況確認のときに「いつ」「ドコ」「何」を観ないといけないかやプレーの優先順位など。知っていてわざと違うことをするのと行き当たりばったりで、取りあえずプレーするのは全然違いますよね。そのための情報をインプットさせてあげる。
サッカーの原理原則
サッカーのルールが大きく変わらない限り変わらない認識や行動の基本法則が「原理原則」。
子どもたちが理解できるように伝えるのが難しいですが、トレーニングやゲーム中のコーチングは、この原理原則を理解させるための声掛けを行っています。
どのカテゴリーでも海外でプレーしようが草サッカーをしてもサッカーをする上の基本法則。
戦術や戦略が異なっても原理原則は変わりません。少年サッカーのときに「サッカーの目的や原理原則」を身につけていないとその先、積みあがらないんですよね。
これは私の経験ですが「原理原則を理解している選手は小学4年生でもプレーの選択ミスも自分で気づく」ようになります。
プレー精度の基準
ドコまで求めるかは指導者によって違うと思いますが、求めているプレーの精度をしっかりと伝える必要があります。
対面パスの練習をしていても求めているパスの質(方向、強さ、タイミングです。)をしっかりと伝える。
年代や個人によって求める精度は変わりますが、
方向であれば、相手の方に向かってパスをすれば良いのか、相手の右足を狙うのかなど具体的に基準を教えます。そして失敗するのであればコーチングで改善していく。
精度を具体的に求めることで子どもたちはトレーニングに集中してくれるようになりますよ。そうするともっとプレーの質を高めていけます。
気づかせるコーチングをするために
しっかりと「サッカーの原理原則」「プレー精度の基準」を教えることが前提です。そこから教えないコーチングを始めます。
子どもたちが気づくように質問し、答えは教えない。それが「教えないコーチング」だと思います。
大人はわかるので口出し(コーチング)したくなるのはしょうがないんです。でも、指導(人を育てる)のは忍耐です。我慢して子どもたちが理解するまで手を変え、品を変え、一生懸命、我慢するんです(笑)。
そして子どもたちが気づいたプレーが出来たときは具体的に褒める。
あなたの指導は選手のためになっていますか?
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