サッカーには大きく分けると4つの局面があります。4つの局面によって判断する基準、選択するプレーが変わります。良くサッカーで「ボールに関わる」という言葉を使いますが、この4つの局面で何をしなければいけないのかを考え、プレーすることです。どんなプレーをする必要があるか判断の基準になるものは、サッカーの原理原則になります。
サッカーの原理原則を理解し実行するためにはサッカーの4つの局面を知ることが重要です。サッカーの4つの局面でどんなプレーを選択すれば良いかの基準についてご紹介します。
サッカーの4つの局面
サッカーは相手より多くゴールを決めることで勝敗が決まります。
味方チームがボールを保持している状態(攻撃)、
相手チームがボールを保持している状態(守備)に加えて、
ボール保持のチームが切り替わる局面(攻撃⇒守備、守備⇒攻撃)の4つの局面があります。
この4つの局面で選択するプレーが変わります。各局面でのプレーの原理原則を見ていきましょう。特に攻撃時と守備時は表裏一体になっています。
味方チームがボールを保持している状態(攻撃)から、ボールを奪われれ(攻守の切替)、相手ボールがボールを保持している状態(守備)、ボールを奪い(守攻の切替)を経て味方チームがボールを保持します。このサイクルの繰り返しでサッカーのゲームが流れていきます。切替(攻撃⇒守備、守備⇒攻撃)の局面は3-6秒で行われるとされています。
攻撃時のプレー
味方がボールを保持している状態のときは、「サッカーの目的」であるゴールを奪うことを目指します。その為にはシュートを打つために相手ゴール前までボールを運ぶ(ビルドアップ)必要があります。
目的
- ゴールを奪う
- シュートチャンスをつくるためにボールを運ぶ(ビルドアップ)
パスを繋ぐ、ドリブルを仕掛けるのが、目的ではありません。あくまでも攻撃時の目的は「ゴールを奪う」ことです。
原理原則
優先順位の1番目は、ゴールを奪うためにシュートを狙います。シュートが打てない場合はシュートを打つために相手のゴール前にボールを運ぶビルドアップが必要になります。ビルドアップ、攻撃の優先順位は以下の通りです。
-
- 突破
- ゴールに向かう。相手の背後を突く。
-
- 幅と深さ
- スペースをつくる。サポートをする。
-
- 活動性
- コンビネーションが必要(無秩序ではない)
-
- 即興性
- 創造性、意外性、柔軟性
まずは突破してゴールに向かいます。突破が無理だと判断したら幅と深さを取りゴールを奪うチャンスを伺います。
攻⇒守切替時のプレー
攻撃をしているチームはどうしても前がかりになっています。直ぐに守備を行わなければ、ピンチになってしまいます。それを防ぐために
- 出来るだけ早く守備の態勢をつくる
ボールを失った瞬間から守備に切り替えます。ボールを奪われた選手はボールを奪い返すために、ボール保持者へのアプローチをかけます。また、他の選手は守備の態勢をつくるため、マッチアップの選手(自分のマークの相手)が攻撃に参加できないようにする、的確な守備のポジショニングへの素早い修正を行い、守備の陣形を整えます。
守備時のプレー
相手がボールを保持している状態のときは、相手はゴールを奪いに来ますのでゴールを守ります。また、ボールを奪い、攻撃につなげなければなりません。
目的
- ゴールを守る
- ボールを奪う
相手がどこでボールを保持しているかでゴールを守るのか、ボールを奪うのかを判断します。
原理原則
相手は攻撃をしてくるので相手のプレーの優先順位の1番目は、ゴールを奪うためにシュートを狙ってきます。シュートを打たせないためにゴールを守ります。次に相手はゴール前にボールを運んで来ます。その為にボールを奪います。守備の原理原則は
-
- 遅らせる
- ボールを前に運ばせない。
-
- 厚みと集結
- ボールへの集結。ゴールへの集結。カバーリング。
-
- バランス
- ポジショニング。マーク
-
- コントロール
- 自制(的確な状況判断)。相手をコントロールする。
です。攻撃と守備は表裏一体になっています。
守⇒攻切替時のプレー
味方がボールを奪った瞬間から攻撃に切り替えます。相手の陣形が整わないうちに攻撃が行えれば、ビッグチャンスになります。その為に
- 出来るだけ早く攻撃の態勢をつくる
攻撃への準備としてボールを奪った選手はゴールへ向かう。ボールを持たない選手は、ボールを受ける、スペースをつくるために拡がる、相手の視野からはずれる必要があります。
プレーの判断基準
良いプレーとは、効率的にゴールを奪うため/守るためになっているプレーです。あくまでも、プレーの目的はゴールを奪う/守ることです。
攻撃が「突破」を仕掛けてきたら、守備は「遅らせる」、次に攻撃は「幅と深さ」をとって攻撃を仕掛けてきます。守備は「厚みと集結」でボールを奪おうとします。すると攻撃はポジションを移動し「活動性」を持って崩そうとします。守備は「バランス」を取って陣形を崩されないようにゴールを守ります。さらに攻撃は「即興性」を持ってシュートを目指します。守備は状況を判断して「コントロール」し、自制を行います。
4つの局面を理解して、その局面で何をしないといけないかを判断できる選手が増えてくると観ていて面白いチームになります。
コメント