出展:笹川スポーツ財団
私は2010年から小学生年代(U-12年代、ジュニア年代)の選手を指導しています。指導している街のボランティアチームでは、積極的に関わってくれる保護者の方々とチームでの関りを負担に思っている保護者の方がいます。
今回は、笹川スポーツ財団で2017年に行われた調査を基に考えてみたいと思います。
保護者の負担
子どもがサッカーに限らず、スポーツを行う場合は保護者の方々は多少なりとも負担を背負うことになります。私も保護者としてサッカーのボランティアチームに息子を入団させ、いつの間にかコーチをすることになりました。私の場合はサッカーを経験していたので息子とその友達の中で一緒にサッカーすることが、当たり前のように感じていました。
実際にコーチをすることになり、特にヘッドコーチとしてチームに関わるようになってからは、とても負担に感じました。私はお酒を飲むことが好きなのですが、金曜日の夜に仕事仲間と飲んで帰ると土曜日はグランドに行きたくないと思うことも多々ありました。また、合宿などで平日に会社を休みチームに帯同することもあり、会社の仲間には負担を掛けたと思います。(合宿に帯同すること自体は楽しいのですが。。。)
母親の負担
2010年より、お父さんコーチとしてチームに関わり、たくさんの保護者の方々と接して来ましたが、試合への帯同、応援など、送迎や子どもの準備やご飯の用意など大切な休日を子どものために使うことに対して負担と感じる方が多くなってきているように感じます。おそらく、共働きをさせれてい家庭の保護者が増えてきたのも要因だと思います。
保護者のやりがい
この笹川スポーツ財団の調査でもデータとして出ていますが、私が感じるのは、試合や大会での応援や子どもの成長をやりがいに感じている保護者の方が多いです。地域の大会に帯同するとやはり、どの学年も保護者の方が熱く応援しています。チームとして選手、スタッフ、そして保護者が一体になって頑張る選手たちを応援してくれて本当に素晴らしいと思います。
残念に思うこと
ただ少し残念に思うのは、我が子の成長、活躍を期待しすぎている保護者の方がいます。その保護者の方々は、我が子の成長に期待を掛けすぎて他の選手や相手チームの選手に対しての敬意を持つことが出来なくなっています。とても残念に思います。
小学生年代(ジュニア年代)は、選手の育成を目的に指導するべきだと思います。私は、練習試合はもちろん、どんな大きな大会でも選手全員が試合に出て経験を積むことが必要だと考えています。なので活躍できる選手だけでなく、ちょっと劣る選手にもチャンスを与えています。そうすると「なぜ、うちの子がベンチなのか、理解できん。」とか、「うちの子はあの子より出場時間が短い。」とか、クレームがチームに上がってきます。
私の経験ですが、そんな保護者の子どもは、小学校年代では活躍できるのですが、6年生になるとパッとしない選手になってしまいます。中学生になって、周りについて行けなくなりサッカーを辞めるケースまであります。
目的は「選手」の成長
私たち指導者は、大切な子どもたちを預かり、サッカー選手としてだけでなく人間として選手が成長できるようにコーチングをしています。そのために指導者講習会に参加したり、本やインターネットで情報を集め、コーチングについて学んでいます。しかし、私たち、指導者より一緒にいる時間の長い保護者の方が、間違った教育をしているとサッカー選手としてだけではなく、人間として間違った成長をしてしまいます。
子どものサッカーにやりがいを感じている保護者の方へ
子どもの成長を見守る、寄り添ってあげる気持ちで接してあげてください。過度の期待は子どものプレッシャーになってしまいます。特に母親がスポーツをしていた場合、子どもと少し、距離を置いた方が良いかも知れません。
子どものサッカーに負担を感じている保護者の方へ
子どもがサッカーをしているのを楽しめるのは小学校年代だけです。出来るだけ子どものプレーを見てあげてください。子どもが一番うれしいのはコーチに褒められることではなく、母親に褒めてもらうことです。
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