サッカーのドリブルのスキル、キックのスキルが低い選手より高いスキルを持っている選手の方が活躍できます。
でも90分間の試合の中で1人がボールを触っている時間は1~2分。
残りの80分以上はボールを持っていない、つまり「オフザボール」の時間。
サッカーの上手い選手は、このオフザボール時に次のプレーについて予測し準備をしています。サッカーはボールを中心にプレーが進みます。
どうしてもボール保持者に対しての評価が多くなることが多い。でも、ボールを受ける前のオフザボール時に何を考え、プレーをしているかが上手い選手とそうでない選手の分れ目です。
攻撃時にオフザボールの選手が考えないといけないプレーは
この記事では攻撃時のオフザボールはどんな目的でプレーを選択すれば良いかを解説します。知っているよ。という人もそうでない人も攻撃時に大切なオフザボールの目的について確認しましょう。
サッカーの攻撃時の優先順位
サッカーの目的はゴールを奪うこと。
味方がボールを持っているときはチームとして出来るだけ相手ゴール近くまでボールを運ぶ必要がありますよね。
相手ゴール前にボールを運ぶことでシュートチャンスを多く作ることができるから。
まずは、シュートを打てる状態、シュートに繋がるプレーを選択する必要があります。サッカーの攻撃時は最優先でゴールを奪うためにシュートを打つ。
でもシュートを打とうと思っても相手は妨害しようとしてきますよね。だから、パスやドリブルでシュートチャンスをうかがう。
ボールを保持している選手は、最優先でシュートを狙う。でも打てない場合はパスやドリブルを選択するんです。じゃあ、他のボールを持っていないオフザボールの選手は何をする必要があると思いますか?
オフザボールの3つの目的
オフザボールの選手は、ボールを持っている選手を観ていれば良い?
「頑張れ!!」って応援する?
違いますよね。ゴールを奪うために何かしなければなりません。
ボールを持っている選手だけでなく、オフザボールの選手が目的を持った動きをすることで攻撃の選択肢が増え、相手が対応しずらくなります。相手が迷ったら「しめたもの」。攻撃側は好きなプレーをすることが出来ます。
攻撃側のチームがたくさんの選択肢を持つことでが守備をするチームはディフェンスをしづらくなります。そうすると面白いように攻撃ができます。
そのためにオフザボールの選手の目的は
とりあえず、この3つを意識してください。
まずはボールを受けること。ボールを受けるために移動をすることでボールを持っている選手のプレーの選択肢を増やす。
パスコースがあると相手ディフェンダーは、ドリブルを警戒しながらパスも警戒しないといけない。そうすると攻撃側は有利になりますよね。パスを出すフリをするだけでフェイントにもなります。
オフザボールの選手がこのことに気づけば、たくさんのパスコースを作ることが出来てプレーの選択肢が無限に増えます。オフザボールの選手が「ボールを受けること」を意識するだけで相手は対応ができずに困ることになります。
オフザボールの選手が「ボールを受ける」ために移動するには、ボールだけを観るのではなく周りを観て状況を確認しなければなりません。
自分がボールを受けた方が効率的にゴールを奪えるのか。そうでなければ、味方が使えるスペースを作る。もうすでに使えるスペースが確保できているのであれば、リスクを負わずにボールを保持できるようにサポートの体制を取る。
チーム全員が「オフザボール」の目的を知り、プレー出来れば連動して美しいサッカーが出来るようになります。
▼ 判断するために何を観るかをまとめています。気になったらチェックしてみてくださいね。
パスを受ける
攻撃時のオフザボール時に、何が目的で走るのかというと第一の目的は「パスを受ける」。パスを受けて出来るだけ相手ゴールに近づき、シュートを打ちたい。シュートに繋がるプレーをしたいですよね。
まずは、ボールを受けることが大切です。そのためには。味方からボールを受けられるポジションに移動する必要がある。だから走る。
勘違いして欲しくないのは、ボールを受けてゴールを奪えるポジションにいるなら走る必要はないんです。だって移動する目的は「ゴールを奪うためにボールを受けること」なんですよ。
せっかく良いポジションにいるのに移動する必要はありませんよね。ベンチから
コーチ:「走れ!!」
って言われても走る必要はありません。選手本人がココでボールをもらえたらゴールが奪えると判断したなら走る必要はありません。
ただベンチから観ていると「もっと良いスペースがあるじゃん!!」と観えるときもあるし、そのスペースの方がゴールを奪う確率は高いかもしれませんが・・・。
第一の目的は「パスを受ける」。そのためにはパスの優先順位を知っていると効率的にポジションの移動が出来ます。
ちょっと簡単にパスの優先順位を「おさらい」しておきますね。
▼ パスの優先順位について知りたい方は以下の記事を読んでみてください。
オフザボールの味方が「パスを受ける」ために移動しパスコースが出来ている。
もしくは、自分が受けるより他の選手が受けた方が良いと判断した場合は、味方がプレーする「スペースを作る」ためにどうするかを考えます。
スペースを作る
スペースを作る動きは、オフザボール時のプレーで一番難しいかもしれません。
ボールを持っている選手から、オフザボールの味方選手はボールを受けようとする。
そうすると相手選手はパスを通したくないからポジションを移動する。
必ず、誰かがアクションを起こせば、周りの選手はそのアクションに対してリアクションを取るんです。この考え方が根本にあります。
サッカーでプレーをするときに近くに相手選手がいない方がプレッシャーも少なく、落ち着いてプレーが出来ますよね。
なので、ボールを受けられない、自分より良い体制でボールを受けられるために、ボール保持者やボールを受ける味方選手のためにスペースを作る動きをします。
少年サッカーの子供たちには一番難しいかもしれません。相手マークを引きつけて味方が有効に使えるスペースを作るようにします。
マークを引きつけてボール保持者がドリブルできるスペースを作る、他の選手がパスを受けるスペースを作ることを目的に動きます。
オフザボール時にボールから離れる動きをすることで味方選手がプレーをしやすくなる。囮の動き、デコイランと呼ばれる自己犠牲の動きです。
サポート
サッカーの目的はゴールを奪うこと、そのために相手ゴールに近づくことが必要ですが、前に進めない場合はボールを奪われないように味方チームでボールを保持する。
そのために安全なパスコースを作るため、ボール保持者の斜め後ろでボールを受けられるようにポジションを移動します。
プレッシャーが少なく安全にボールを受けられるポジションでボールを受けるサポートの位置に移動します。特にディフェンダーやゴールキーパーに求められる動きですね。
斜め後ろのポジションを取るもう一つの役割はボールを奪われたときにすぐアプローチに行けるようにするためです。平行に並んでサポートをするとインターセプトされると一気に2人置き去りにされてしまいますよね。
オフザボールが重要
サッカーの「観る」⇒「判断」⇒「アクション」のプレーサイクルのうち「観る」と「判断」をオフザボールのうちにしておくことで素早いプレーサイクルが行えます。
選手があえて「動かない」ことで相手選手を動かせないという判断もあります。どうしてもボールを中心にサッカーを観てしまうことが多いと思いますが、サッカーを観戦する際に特定の選手のオフザボール時のプレーを観るなどで効果的なオフザボール時のプレーを身に付けることができます。
お勧めの本
指導者、選手にも理解が難しいオフザボールの動きですが、DVD付きで非常に変わりやすく解説されていました。
興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
コメント