子どもが、少年サッカーを始めるとお父さんコーチを頼まれますよね?
「今までサッカーを教えたことないし、何すれば良いの?」
自分はサッカー経験もあるし、サッカーを知っているから大丈夫!って思って始めても、なかなか子どもたちに伝わらない。
サッカーを教えるためには、子どもたちにドコが悪くて、どうすれば良いかを言葉にして伝える必要があります。少年サッカーを通して、子どもたちが、サッカーが上手くなるとは、プレーが改善していくこと。なので、プレーを分析する能力が必要です。
プレーの分析は、強さ、方向、タイミング。
今回は、サッカーのプレーを分析するために必要な3項目についてお話します。
初心者コーチの間違い
少年サッカーのお父さんコーチ、初心者コーチはサッカーを教えないとイケない、こんなプレーをして欲しい。との想いが強い。コレが間違いです。
だから「行け!!パスだろ?トラップ、いやっ逆見ろ!!打て!!なんで出来ないんだ!!」なんて、自分のプレーを押し付けるようなコーチングを行ってしまいます。
因みにこのように見たままを口にするコーチングを”現象コーチング“と呼ぶそうです。
チームに一人はいませんか? 現象コーチングをしている指導者。見たままの現象を口にするのは、誰にでも出来るし、指導者じゃないよね? 保護者、観客だよ。指導者側にいる必要ないし、いない方が良い。
子どものプレーが成功したときも、失敗したときも必ず原因があります。その原因を見つけるのが、指導者としての第一歩。
トレーニングの目的は?
少年サッカーの良い指導者は、ゲームでの改善点をトレーニングに落とし込んでいます。現象コーチングをしていると改善点なんて見つけられない。見つけられても局所、ボールの周りのプレーだけです。なので、いつも同じトレーニングばかり。だから子どもが上手くならない。
失敗した原因を見つけて、ひとつずつ改善するのが良い指導者です。
改善点(トレーニングの目的)を明確にしていないトレーニングは、本当に時間の無駄、努力の無駄使いです。コレは少年サッカーを卒業してから気づくことかも知れませんが、長い目で見ると残念な結果になります。
ゲームやトレーニングでプレーの改善点を見つけるためには『プレーの分析』が必要。
改善点の見つけ方
サッカーでの失敗は大きく分けて「判断ミス」とプレーの「実行時のミス」の2つです。
判断ミスは大きく分けて、
判断ミスについては別の機会にお話します。ちょっと難しいので、初心者コーチじゃ、すぐには身につかない。
脱初心者を目指すなら、まずは実行時のミスの原因究明の方が分かりやすい。判断ミスを指摘するのは、少年サッカーの指導って何かを理解した後が良いです。
初心者コーチは、判断ミスについては黙っていた方が良いですよ。嘘を教えることになりかねません。
少年サッカーのコーチング
そもそも、プレーを指摘するときに何が上手く行っているのか、出来ていないのかを言語化して伝えるコトで子どもに気づかせるのがコーチングです。子どもが気づいて、自ら改善できるようにするのがコーチングの目的。
指導者がプレーを分析して選手に伝えるコトが出来ないから、子どもが上手くならない。
何が良くて何が悪かったのかを指導者が言語化できていないとコーチングじゃなくて”ダメ出し“です。ミスには必ず、原因があります。ミスを見つけることがコーチングではありません。ミスの原因を見つけることでコーチングができるようになります。
原因を見つけるためにプレーを分析してください。ダメ出ししてばかりだと子どもが可哀想です。上手くならないしね。
プレーの分析方法
技術的なアクションをコーチングするためには、強さ(スピード)、方向、タイミングを観てください。
何を言っているか難しく感じますよね。ちょっとオタク入っていますが、例を挙げてお話します。
分析1:単純なアクションミス
サッカーのプレーは、強さ(スピード)と方向、タイミングが重要です。判断ミスについては目をつぶってください。あくまでも技術的なアクションについての分析方法です。
キックミスを改善したいと思ったら、ボールに対してドコ(方向)にどれだけのチカラ(強さ)でインパクト(タイミング)を与えているかを分析して指導する。
特に少年サッカーの低学年やサッカー経験のない子どものプレーを改善したいのであれば、細かく観て、キックが上手くできたときの感覚を気付かせてあげることが必要。
「強く蹴れたから、遠くまでボールが飛んだね」
「ボールの中心を蹴れたから、まっすぐいったね」
「ボールのドコに足が当たってる?」
「蹴るタイミングはどうだった? 軸足とボールが離れてなかった?」
なんて声をかけてあげれば、子どもたちにアクションの基準をつくることが出来ます。
トラップミスも一緒ですよね。
向かってくるボールに対して、どのタイミングで足の角度(方向)はどうか、止めるときのチカラの抜き加減(強さ)はどうか。
ドリブルだって、ボールに対して当てる足の角度(方向)、強さ、軸足との距離(タイミング)。
3つの要素で、どれだけ細かく観れるかが指導者の技量です。
分析2:ゲーム中のプレー
ゲーム中のプレーも観る要素は同じで強さ、方向、タイミング。
ファーストディフェンダーが寄せる動きも、どのくらいのスピード(強さ)で寄せるのか、どちらを切る(方向)、寄せるタイミングで分析できます。
ゆっくり寄せては、相手が自由にプレーできてしまいます。また、自分が止まれない(対応できない)スピードで寄せたら、かわされてしまいます。
せっかく寄せても、パスコースを開けていては、パスが通されてしまうので寄せる意味が無くなってしまいます。
そして、寄せるタイミングも大事ですよね。トラップの瞬間を狙い、ボールを奪うのか、収まった後に前を向かせないのか。
パスもシュートも3つの要素で分析できます。コースはどうだった(方向)強さはどうだった、タイミングはどう?
パスミスは、パスを出す選手と受ける選手のどちらが、3つの要素の何をミスっているから起こります。
トラップもそうだし、フリーランニングもそうです。選手が選択したプレーを分析するときは、強さ、方向、タイミングで観れば、プレーの良い点、改善点が見えてきます。
良い指導者になるために
少年サッカーの良い指導者は、子どもたちを上手くさせるコーチです。決して勝つチームを作ることではありません。
少年サッカーの勝敗は結果であって、目的ではない。子どもたちが上手くなった結果が勝ちに繋がります。目的はあくまでも、子どもたちが上手くなること。
子どもたちは勝つためにプレーするように育てられるのではなく、優れた選手になるように育てられる必要がある。
勝利至上主義も悪くは無い。でも少年サッカーでは必要ない。少年サッカーは育成年代。少年サッカーで終わってしまう選手が多いのは、指導者が悪い。
良い指導者になるためには”現象コーチング“をやめて、プレーの改善点を見つけて、コーチングを通して子どもたちに気づかせましょう。
なんとなく、分かってもらえましたか?
プレーの分析が出来るようになれば、もっと子どもたちを上手くさせることが出来るようになります。
その分析方法は、強さ(スピード)、方向、タイミングの3要素で考えてください。きっとコーチングが上手くなりますよ。
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