少年サッカーのコーチって何をする人だと思いますか?
子どもがサッカーを始めたから、チームをお手伝いしようと指導を始めたばかりのお父さんコーチも、バリバリ現役でサッカーをしている大学生のお手伝いコーチも、日本サッカー協会公認指導者講習会を受講し指導方針を学んだコーチも選手たちやその保護者から見たらみんなコーチ。
少年サッカーのコーチの役割は
子どもたちが、上手いサッカー選手になる手助けをする
少年サッカーのグランドに入っている大人は子どもたちからみたら、全員がコーチなんです。
一度、サッカーを教えてくれた人のことを子どもたちはいつまでもコーチと呼びます。
一緒にコーチって何なのかを考え、もっと良い指導者になりましょう。
コーチの語源
コーチの語源は、馬車から来ています。ハンガリーの「コチ(Kocs)」という町で農閑期の収入源として作られた四輪の馬車コチ(Kocsi)に由来するそうです。
世界初のサスペンション付きの馬車でヨーロッパで人気を集め、その後、馬車の代名詞として「コーチ」として広まりました。
その後、「(大切な人や物を)馬車で運ぶ」ことになぞられて指導や指導者のことをコーチと呼ぶようになりました。
日本サッカー協会公認指導者講習会でもインストラクターの方がコーチとは導く人であるとのお話をされていました。
コーチングとティーチング
コーチと似たような立場として先生(ティーチャー:teacher)があります。teachは教えると言う意味ですよね。
サッカーの先生とは言わずにサッカーのコーチと呼ぶ。
スポーツの指導者をコーチと呼び、先生(ティーチャー)とは呼びません。なぜでしょうか?
言葉遊びの様ですがとても重要です。
簡単に言い換えると「ティーチングとは、知ってる人が知らない人に教える指導方法」です。
一方、コーチングとは、問いかけて自ら気付き、自発的な行動を促す指導方法。
ティーチングとコーチングについては、以下の記事でまとめています。
気付かせ、自ら上手くなる選手
サッカーは勿論ですがスポーツの指導者を「コーチ」と呼ぶには理由があります。
スポーツとは教えるものではなく、選手が体験し、失敗し、自ら修正し、上手になるものだから。
教えられたサッカーをしている選手は教えた人を超えることはありません。
ある有名なサッカーの指導者の方が、「教えない指導」についてお話をしていました。
現代の子どもたちは与えられるのが普通になっている。与えらた(教えられた)サッカーをしてきた選手は、他の国や地域、チームや監督、指導者が変わるとサッカーが出来ない。
上手い選手になれるハズがない。指導の方法を変えなければいけない。
大人が変われば、子どもも変わる
少年サッカーの指導は教え込み過ぎだと感じます。
もし、あなたが指導者(親)で、選手(お子さん)が、言われたことしか出来ない、しない選手(子ども)だったらどうでしょうか?
私は、職業柄、会社の経営者やそれに近い方々と良くお話をする機会がありますが、会社の上層部は、教える教育(ティーチング)の限界を感じているようです。
組織を強くするためにコーチングを取り入れている企業も増えてきました。
それってコーチング?
少年サッカーの保護者の方や指導している側のコーチ中には体育会系の部活で「命令され、服従するコーチング」を受けてきた方々が多くいます。
「今はドリブルではなく、パスだろ!!」とか、「周りを観ろ!!」等々、
私が指導している地域でもその様なコーチングをされているチームもあります。小学生でこの指導方針に慣れてしまうと命令がないと行動できなくなってしまう選手になってしまいます。
高校生で起きている問題
ある強豪高校のサッカー部の監督さんとお話をする機会がありました。
その監督は例え話として
今の子は、動物園の猛獣と一緒で口を開けていればエサを与えて貰い死ぬことがないから、自らエサを取ることが出来ない動物になってしまっている。
そんな選手ではなくて、粗削りでも、今は弱くても良いから、自らエサを取りに行ける選手を育てないとサッカー界の将来はない」
とおっしゃっていました。
コーチの役割
サッカー選手としてのプレーの基準として「サッカーの原理原則」や奪われたら奪い返すなどはティーチングの必要があります。
しかしプレーの選択については教える必要はありません。
選手に気付かせるための場の設定をし、たくさんの失敗から成功体験をさせることが重要です。
サッカーのプレー経験がなくても、選手の悩みを聞いてあげる、一緒に解決策を考えてあげることは出来ます。
子どもたちが上手になるように手助けをする
人がコーチなんです。
少年サッカーではもっと子どもたちに寄り添ってあげる指導者がいても良いのかもしれません。
あなたの指導は選手のためになっていますか?
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