少年サッカーでは、サッカーの技術を身につければ良いと思いますか?
私は子どもたちにサッカーだけでなく、豊かな”人間性”を持った人間になって貰いたい。コーチとしてサッカーを指導するだけではなく、人生の先輩として生きて行く上で必要なスキルもサッカーを通して身につけて欲しいと願っています。
“日本サッカーの父”として知られるデトマール・クラマーの言葉を紹介します。
「サッカーは子どもを大人にし、大人を紳士にする」
社会で生きていくために必要なコトをサッカーを通して学んで欲しい。子どもたちには、少年サッカーを通して、サッカーの技術だけではなく人間性を豊かにして欲しいと思います。
例えば、社会で生きて行くために必要な『コミュニケーション能力』はサッカーを通して身につけることが可能です。
少年サッカーを通して子どもの”人間性”を豊かにしていける指導について考えてみたいと思います。
生きて行く上で必要な”人間性”とは
人間性とは、その人が持つ本質的なもの。人間特有の本性。人間らしさ。
人間が人間らしく生きて行くために必要な能力が人間性だと思います。社会で生きていくために必要な能力です。先ほども例に挙げた『コミュニケーション能力』もそうですよね。人間性を豊かにすることで仕事や人間関係に良い影響を与えます。
人間性は、少年サッカーを通して豊かにすることが可能です。サッカーだけでなく、社会で生きていくために必要なコトを身につけてもらえるように指導ができると素晴らしいと思いませんか?
いくらサッカーが上手くても、周りの人に感謝ができない、相手の気持ちがわからないようでは、人としてどうなのとは思いませんか?
少年サッカーの指導者はサッカーを教えるだけで良い?
少年サッカーのコーチや監督は「サッカーの技術や考え方を教えれば良い」という意見もありますが、私はそうは思いません。なぜなら
子どもたちは成長の過程だから
まだまだ人間形成ができていなんです。なので間違った行動をすることがあります。
例えば、少年サッカーをしている子どもたちは「こんな言い方をしたら相手はイヤな気持ちになるだろう」など、まだまだ考えられないんです。だから、相手が傷つく言葉を平気で使う。
サッカーが上手くても、そんな人間はチームプレーができません。相手の気持ちを気づかせてあげるのも、指導者の役割なのではないでしょうか?
サッカーで子どもを成長させる
そうは言ってもどうやって指導をすれば良いかと疑問に思いますよね。私もそんなに良い人間ではありません(笑)
でも、社会人として最低限のことは出来ていると思います。社会で生きていくために子どもたちに何を身につけて欲しいかを考え指導にあたっています。
人として大切な”コミュニケーション能力”
人の話を聞くことはコミュニケーションの基本です。自分の考えや思いだけを話して他人の話を聞かない人って多いと思いませんか?
”人の話を聞く”ことはコミュニケーションの基本の部分。自分の主張ばかりを行って他人の話をまったく聞かなかったり、すぐに自分の話に置き換えたりする人もいます。
仕事をするにしても人間関係においてもコミュニケーション能力は絶対に必要になる能力です。人が生きていくためには他人とのつながりは必要不可欠。少年サッカーを通して積極的にコミュニケーションがとれるようにしてあげましょう。
一方的に指導者が求めるのではなく、双方で会話ができる雰囲気をつくることが大切です。子どもたちも子どもたちなりに考えています。その考えを引き出し、考え方が正しいのであれば褒める。間違っているなら修正する。そうすることでコミュニケーション能力が向上していきます。
サッカーはチームスポーツなのでチームメイトとコミュニケーションを取って自分がどうしたいのか、相手がどうしたいのかを”すり合わせていく”ことが必要です。最初は難しいかもしれませんが訓練をすることで出来るようになります。
子どもには個性があるので、自分の主張をするだけの子、他人の意見を鵜呑みにする子がいますが、少しずつ改善して行けるようにコーチングしていくことが大切です。子どもの教育には”忍耐”が必要。
指導者は、焦らず、我慢して良い方向に導いてあげること。
助けを求められる
困っているときや自分だけではどうにもならないときに、周りの人に助けを求められるような人間になって欲しいと思います。
人生で悩むこともあるし、辛いこともあります。その時にひとりで抱え込むのではなく、周りに助けを求められることが大切です。お父さんやお母さんでも、コーチでも困ったときは大人に相談する。友達に相談できるような人間になって欲しい。
困ったときに助けを求めることは恥ずかしいことではありません。しかし助けを求めることに慣れていないと必要な時に助けを求めることができなくなってしまいます。
サッカーでは味方が困っていれば助けるのが当たり前。困ったときに味方に助けを求めることは、恥ずかしいことではなく勝つためには必要なこと。少年サッカーを通して子どもたちは、助けを求める訓練ができるハズです。
人の気持ちがわかる
最近の日本人にも「自分が良ければ良い」という風潮がありますよね。ソレってどうなの? って感じます。
困っている人がいたら助けてあげる。”おせっかい”でも良いと思います。普段から困っている他人を助けてあげられる、他人の役に立つ子どもに育って欲しいと思います。
サッカーは味方が何を思ってプレーをしているのか、どんなことを求められているのかを考えながらプレーを選択しなければなりません。サッカーを通して相手の気持ちがわかる子どもになれる可能性があります。
決められたルールを守る
社会に出たらルールを守ることが必要になります。バレなければ良いとは思わずに”ルールを守ることが当たり前”という習慣を身につけてもらいたい。
ルールを守ることの大切さ、なぜルールを守らなければいけないかも教えてあげると良いですよね。
サッカーに限らずですが、スポーツはルールを守らなければ”ファール”を取られます。子どもたちはサッカーをすることでルールを守らなければならないと言うことを理解できるようになります。
自主性を持って行動する
最近では、人から言われたことしかしない”指示待ち人間”が増えてきました。子どもたちには、自ら考えて行動できる人間になって欲しい。
どうすれば、良いか考えるためには論理的な思考が必要になります。指示を待っている人は考えることをしない。もしくは、考えられない人だと思います。失敗しても良いからチャレンジすることが大切です。
サッカーは自由なスポーツです。選手が自ら考えて判断するスポーツです。サッカーを通して子どもたちは自主性を身につけることができます。
コーチングで子どもは変わる
少年サッカーでの指導者が”人間性”を豊かにすることを意識することでサッカーだけでなく人間性を豊かにすることが可能になると思います。
簡単なことではありませんが、指導者の意識の違いでサッカーで子どもが成長できるようになります。
”人間性”を豊かにする指導
少年サッカーは子どもの人間性を豊かにする指導が必要です。子どもたちの意見を聞いたり、子どもたちに気づかせるための質問をしたり、双方向でコミュニケーションを取ることが大切です。
少年サッカーを指導するコーチはどんなことが求められるかと言うと
- 子どもを尊重する
- 失敗することは悪くない
- 良いプレーは褒める
- 子どもを尊重する
少年サッカーの指導をしているコーチの方には、サッカーを教えていると考えている方がいるのが現実です。
そう考えてしまうとどうしても上からボトムダインでの指導になってしまいます。一緒にサッカーを楽しむ。サッカーを一緒にプレーするには子どもたちにどう考えて欲しいか、どう動いてほしいかをコーチングする。
子どもを尊重して、一緒にプレーする仲間として認識して考え方や意見に耳を傾ける(サッカーをプレーする場合は、普通にしていますよね?)と言う考え方に変えましょう。
失敗することは悪くない
慣れない足でボールを扱うサッカーは失敗することが多いスポーツです。少年サッカーのコーチは、失敗をしても
「どうして失敗したと思う?」
「良いチャレンジだったね。次は出来るよ!!」
と失敗しても声を掛ける余裕が必要です。失敗しても良いのでチャレンジすることのできる選手に育てましょう。
check !
良いプレーは褒める
できて当たり前ではありません。少年サッカーをしている子どもたちはサッカーを始めたばかりです。出来なくて当たり前。良いプレーが出来たときはしっかりと褒めてあげましょう。
少年サッカーを通して人間性を伸ばすコーチング
少年サッカーの指導者はサッカーのみではなく、人間性を育む必要があります。その為には上から教えるのではなく、子どもと同じ位置まで降りて行き、同じ立場で話を聞く、考えを話すなどのコミュニケーションを取ることが大切です。少年サッカーの指導者は子どもたちの人間形成に大切な時期を一緒に過ごす大人代表です。しっかりと自覚をもって行動することが求められます。
あなたの指導は選手のためになっていますか?
コメント